盛夏の候、皆さまには益々ご清祥のこととお喜び申し上げます。 平素は、川之江信用金庫に格別のご愛顧とご支援を賜り、厚く御礼申し上げます。 また、これまで新型コロナウイルス感染拡大により、影響を受けられた皆さまには、心よりお見舞い申し上げます。 当金庫第74期の事業概況および決算のご報告にあたり、ひと言ご挨拶申し上げます。 さて、日本経済は、新型コロナウイルスの感染者数の減少やワクチン接種の普及などを背景に、3月には「まん延防止等重点措置」が解除され、徐々に正常化へ向かっております。 しかしながら、消費をはじめとする経済の回復は弱く、新型コロナの感染再拡大への懸念、部品供給制約の長期化、ロシアによるウクライナ侵攻、円安進行等によるインフレ圧力の高まりなど、先の見通しがつき辛い状況が続いております。 特に、コロナ禍で、国内の景気回復が足踏み状態にある中、資源価格や原材料費の上昇によるコストアップは、販売価格への価格転嫁が容易でない中小企業の収益を圧迫することになり、今後、業績の下振れが懸念されるところであります。 一方、当金庫を取り巻く環境はと申しますと、人口減少や中小企業者数の減少など地域社会が抱える構造的な問題に加え、コロナ禍による地域経済の悪化、日銀によるマイナス金利政策の継続、急速に浸透するデジタル・トランスフォーメーションなど、取り巻く環境は、これまで以上に多様化、そして複雑化しております。また、世界的にSDGsへの関心が高まる中、地域社会においても、脱炭素を中心とした環境問題など、持続可能な社会の実現に向けた取組みが求められており、信用金庫業界に対する期待はこれまで以上に高まりを見せております。 令和3年度、預金業務につきましては、当金庫の強みである地縁・人縁を活かした営業活動で、職域サポート先の開拓、年金や給与振込口座の推進強化のほか、ATM定期やインターネットバンキングといった非接触型の金融サービスにも注力しました。一方、融資業務では、各エリアに法人専担者を配置し、取引先企業の経営支援体制を強化して、資金繰り支援はもちろんのこと、取引先企業の課題解決となるソリューション営業に力を注ぎ、地元中小企業者の発展と資金繰りの安定に努めました。また、地域活性化に向けた新たな取組みとしては、山形県の新庄信用金庫との広域連携による「ご当地おみやげ取次プロジェクト」を実施いたしました。お互いの取引先が生産した商品を、紹介映像とともに信用金庫の店頭に陳列し、来店されたお客様に旅の気分を楽しんでいただきながら店頭で注文を取り次ぐというプロジェクトですが、生産者の販路開拓と金庫の来店誘致を実現しております。 そのほか、「シトラスリボンプロジェクト」に賛同し、地元の伝統工芸である伊予水引で結んだリボンを使って、全国の信用金庫に向け、プロジェクトへの理解を呼びかけるメッセージを発信したほか、行政・各支援機関との連携強化や若手経営者で作る「かわしんビジネスクラブ」の拡充にも取組んで参りました。 令和4年度は、事業者への資金繰り支援はもとより、ポストコロナの時代を生き抜くための事業再構築、販路開拓支援、収益力改善、事業承継など、各支援メニューの充実・深掘りを行い、コンサルティング機能を充実させていく所存であります。こうした伴走型支援の取組みを強化することが、地域経済・社会の発展に繋がり、それを通じて当金庫の収益力の強化が図れるものと考えております。 当金庫では、地域の皆様から、安心して頼れる金融機関として、また“地域のために存在し、地域を守る”という確固たる信念のもと、さまざまな課題と真摯に向き合い、役職員全員の力で、この難局を乗り切っていく所存でございます。 引続き、当金庫へのご支援とご愛顧を賜りますようお願い申し上げます。令和4年7月3ごあいさつ川之江信用金庫 理事長 日浦 博基
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