■リスク管理態勢 「コンプライアンス」とは、一般的に「法令等遵守」と解釈されており、企業等が行う取引において様々な法令やルールを厳格に遵守するとともに、社会的な規範を全うすることをいいます。金融機関は公共的使命と社会的責任を負っていることから、一般企業にも増してコンプライアンス態勢の強化が求められております。 当金庫では、これまでもその使命と責任を十分に認識し、誠実で公正な業務推進に努め、企業倫理の確立と法令等の遵守に取り組んできました。平成13年4月には、総務部が中心となり、川之江信用金庫の行動基準を明確化した「倫理規則」を策定すると同時に、コンプライアンス統括部門を設置し、自らを検証する態勢を全職員に徹底しております。 信用金庫が日常行っている金融取引においても、信用金庫法をはじめとして、公正な競争の確保、顧客情報の厳正な取り扱い、マネー・ローンダリングの防止など、遵守すべき法令や規則が存在します。当金庫では、これらのルールを遵守することで、社会的規範を逸脱するような営業活動を慎み、良識ある営業姿勢を維持する社会的責任を全うするように、理事長以下全職員が倫理意識の高揚と法令等遵守マインドの向上に努めております。 統合的リスクとは、当金庫の直面するリスクに関して、それぞれのリスク・カテゴリー毎に評価したリスクを総体的に捉え、当金庫の経営体力(自己資本)と対比することによって、自己管理型のリスク管理を行うことをいいます。 当金庫では、管理すべきリスクを「信用リスク」「市場リスク」「流動性リスク」「オペレーショナル・リスク」に分類し、各リスクの特性に応じた管理を行っています。 また、「統合的リスク管理の基本方針」および「統合的リスク管理要領」に基づき、経営の健全性を維持しつつ適正な収益を確保するため、リスク管理を重要課題として位置づけ、リスクを適正に把握し、適切に管理する態勢の整備に取り組んでいます。◆信用リスク 信用リスクとは、「ご融資した貸出金がお客様の財務状況等の悪化により、その価値が減少したり消失したりして金融機関が損失を被る」リスクのことです。当金庫では、貸出資産の健全化を維持するため与信案件に関して、公共性・安全性・収益性・成長性・流動性等各視点から厳正な審査体制をとっております。また、審査にあたっては極力大口融資や特定の業種に偏ることなく、小口多数者取引を推進し、信用リスクの軽減に努めております。自己査定による資産の区分を的確に行い、既に発生している延滞債権の早期回収努力と不良債権の新規発生を防止するため、職員に対する審査能力や管理能力の向上を目的とした内部研修や外部研修を実施しております。◆市場リスク 市場リスクには、「資産(貸出金、有価証券など)・負債(預金など)の双方の金利変動に伴い損失が発生するリスク(金利変動リスク)」と「為替相場や株式債券相場の変動により資産が減価するリスク(為替リスク・価格変動リスク)等があります。 当金庫では、資金運用委員会を設置し、金利予測、収益シミュレーション、リスク分析などにより運用と調達の基本方針を策定しています。◆流動性リスク 預金の支払いや貸出金等の資金が不足して資金繰りに支障をきたす流動性リスクに対しても、不測の事態に即応できるよう、換金性の高い資産を多めに準備し万全の体制を整えております。◆オペレーショナル・リスク オペレーショナル・リスクとは、業務運営上の過程、役職員の活動、コンピュータシステムの処理等における不適切な対応や外部環境の変化などから損失が発生し、経営に重大な影響を与えるリスクのことです。 ■事務リスク 事務リスクとは、「正確な事務を怠ったり、不正等により損失を被る」リスクのことです。当金庫では、正確な事務処理を厳正に実施するため、各種内部規程の整備を行い、事務効率の向上などを目的にした営業店後方事務の集中処理を積極的に進めております。 また、こうした厳正な事務を維持するため、検査室が各営業店に対して、予告なしの検査を実施し実態把握と事故の未然防止のための指導を行う一方、営業店に対しては店内検査制度の月例実施を義務づけております。 ■システムリスク システムリスクとは、「コンピュータシステムのダウン・誤作動・不正使用等により被る」リスクのことです。当金庫では「信金大阪共同事務センター」に加盟しシステムの充実を図っており、システムリスクに対応しております。〈ポリシー〉 当金庫は、マネー・ローンダリング・テロ資金供与・拡散金融(以下、「マネロン等」という。)の防止に向け、適用される関係法令等を遵守し、業務の適切性を確保すべく、基本方針を次のとおり定め、管理態勢を整備します。1.運営方針 当金庫は、マネロン等の防止に向けた対策を経営上の重要な課題の一つとして位置付け、マネロン等の脅威に対し、組織として適切に対応できる管理態勢を構築します。 経営陣は、マネロン等対策に係る態勢の整備、方針・手続・計画の立案・推進、及びリスクの特定・評価・低減に係る各種取組みを主導します。2.管理態勢 当金庫は、マネロン等対策の責任を担う担当役員を任命するとともに、マネロン等対策の統括部署を設置し、専門性を有する人材の配置及び必要な予算の配分等、適切な資源配分を実施するとともに、マネロン等対策に関わる役員・職員間での連携の枠組みを構築します。3.リスクベース・アプローチ リスクベース・アプローチの考え方に基づき、国によるリスク評価(犯罪収益移転危険度調査書)及び当金庫の疑わしい取引の届出の状況等を踏まえ、当金庫が直面しているマネロン等リスクを特定します。 また、特定した自らの事業環境・経営戦略・リスク特性をもとに、取引量や影響の発生率、影響度等の観点を踏まえてリスクの大きさを評価し、リスクに応じた低減措置を講じます。4.顧客の管理方針 新規取引開始時及び顧客情報や取引内容等に応じて取引開始後継続的に、本人確認や取引目的の確認等を実施します。 また、当金庫が顧客や取引内容等に関して確認が必要な情報を検知した場合等には、適時、追加の確認・調査を実施します。 なお、これらの確認・調査に際しては、必要に応じて追加的な証跡資料等の提出を求めます。5.疑わしい取引の届出 営業店の報告や取引モニタリングシステムによる検知、捜査機関等からの照会、顧客の申し出等を受け、疑わしい取引を検知した際は、その内容を調査し、疑わしい取引に該当すると判断した場合は直ちに当局に届出を行います。6.経済制裁及び資産凍結 取引フィルタリングシステム等により制裁対象者との取引を検知し、調査の結果、制裁対象に該当すると判断した場合、当該取引を謝絶するとともに、資産凍結等の措置を適切に実施します。◆コンプライアンスの運営体制〈体制図〉22 KAWASHIN DISCLOSUREコンプライアンス態勢統合的リスク管理態勢マネー・ローンダリング等防止対策の管理態勢事業の概要
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